【11/10〜11/14】来週の重要経済指標まとめ｜米CPI・小売売上高・PPIが焦点に、インフレ再燃リスクを見極める週

毎週恒例の「注目経済指標」コーナーです。

今週はインフレ関連指標が集中する「再評価ウィーク」です。米国ではCPI（消費者物価指数）、PPI（生産者物価指数）、そして小売売上高といった物価・消費・生産の三本柱が同週に発表され、

FRBの12月会合で「追加利下げがあるか」を占う重要材料となります。

ドル円相場・米国株・金利市場いずれも、この週のデータ次第で再び方向感を取り戻す展開が予想されます。

来週の注目経済指標

11月10日（月）

★ 景気一致指数（速報）／景気先行指数（速報）

→ 日本国内景気の現状と先行指標を確認。弱い結果なら追加緩和観測も。

★★ 非農業部門労働生産性指数（前期比）

→ 企業の生産効率を示すデータ。インフレ圧力との関連に注目。

★★★ 米国：失業率／非農業部門雇用者数（NFP）

→ 先週に続き雇用関連統計の確報・再集計時期。FRBの利下げ継続判断に影響。

★★ 平均時給（前年比・前月比）

賃金インフレの粘着度を測定。

★★ 新規失業保険申請件数／貿易収支／耐久財受注（確報）

→ 景気の持続性を評価する補完指標群。

11月11日（火）

★★ 日本：経常収支（予想2兆5,000億円）

→ 輸出・所得収支の改善が円相場を支えるか注目。

★ 景気ウォッチャー調査（現状判断）

→ 国内景気の肌感を反映。消費マインドの回復度合いを探る。

★★ ユーロ圏：ZEW景況感指数

→ 欧州景気に明るさが戻るか注目。改善すればユーロ買い要因。

11月12日（水）

★ 日本：マネーストックM2（前年比）

→ 日銀の金融供給ペースを確認。

★ 米国：MBA住宅ローン申請指数（前週比）

→ 住宅市場の需給動向を測る指標。金利低下が住宅需要を押し上げるか注目。

11月13日（木）— 今週最大の山場（CPI発表）

★ 日本：国内企業物価（前年比 予想+2.5％）

→ 企業間価格上昇の鈍化が続けば、日銀の緩和維持を後押し。

★★ 米国：消費者物価指数（CPI）（前年比予想+3.1％／前月比+0.3％）

→ インフレ鈍化が確認されればドル売り、逆に上振れならドル急反発の可能性。

★★ コアCPI（食品・エネルギー除く）前年比・前月比

→ FRBが最も注視する基礎的インフレ圧力の指標。

★★ 新規失業保険申請件数

→ 雇用市場の冷え込みが進めば利下げ観測を補強。

★★ ユーロ圏：鉱工業生産指数（前月比／前年比）

→ 欧州景気のモメンタム確認に重要。

11月14日（金）

★★ 米国：原油・ガソリン・留出油在庫

→ エネルギー価格の変動とインフレ期待に影響。

★★★ 米国：小売売上高（前月比）／自動車除くコア

→ 今週最注目イベントの一つ。消費が底堅ければ「利下げ打ち止め」観測が再浮上。

★★ 米国：生産者物価指数（PPI）前年比・前月比

→ 企業コストの上昇がCPIに波及するか注目。

★★ ユーロ圏：GDP改定値（前期比+0.2％）

→ 景気後退回避が確認されればユーロ買い戻しの可能性。

11月15日（土）

★ 米国：企業在庫（前月比）

→ 景気循環の遅行指標。需要減退の兆しが出ればドル売り方向に。

市場見通し：焦点は「CPI・PPI・小売売上高」トリプルチェック

今週は、インフレ・消費・生産の3指標が立て続けに発表される極めて重要な週です。

FRBが10月に利下げを行った直後ということもあり、 「物価が再び上向くのか」「消費が堅調を保てるのか」が焦点になります。

特に：

• CPIが予想を上回れば → ドル買い・株売り・金利上昇のリスク
• CPIが予想を下回れば → 利下げ継続観測強化・ドル売り加速
• 小売売上高が強ければ → 「景気減速懸念後退」→ 株式市場の支援材料

また、エネルギー価格とPPI（生産者物価）の推移も、次回FOMCのインフレ見通しに直結するため要注目です。

トレード戦略のヒント

• CPI・小売売上高発表前後はポジション縮小＋短期トレード中心でリスク管理
• 「予想との差」に注目し、ファンダメンタルズと市場反応の乖離を狙う
• ドル円は149円〜151円レンジの上抜け・下抜けを見極め
• 金・株式市場ではインフレ加速＝調整警戒、鈍化＝買い戻しの流れに

まとめ

FRBの利下げから一週間。

市場は「金融緩和モード」へ傾きつつも、インフレ再燃リスクを完全には排除できていません。

今週は、米国のCPI・PPI・小売売上高を中心に、「利下げ継続 or 打ち止め」を決定づけるデータが相次ぎます。

短期的なボラティリティ上昇に備え、冷静な分析とリスク管理を徹底しましょう。